ライダーの聖地とも言われている猿払村(さるふつむら)の直線道路、通称「エサヌカ線」。私はバイクに乗らないのですが、直線道路の両側に広がる牧草地と青空の風景はやっぱり外せない超おすすめの場所ですし、バイクの方が気持ちいいかな?とも感じます。
最も長い直線部分は8.3kmほどのエサヌカ線ですが、おすすめポイントと個人的に気に入った場所がありますので紹介します。なお、猿払村のこれ以外のおすすめポイントは別記事で紹介します。
エサヌカ線て、何がいいの?
エサヌカ線は何も無い直線道路が人気なんですよね?
はい。何も無いので、北海道らしい雄大な景色が見られる場所です。
エサヌカ線てほぼ最北でしょ、もっと手軽な場所には無いんすか?
「何も無い」と「直線道路」この2つの組合わせ、北海道ならどこでもありそうなイメージですが、ここ以外だと道道106号オロロンラインの一部くらいしかないんです。
十勝平野とか道東の牧草地帯なら直線道路がありそうだけど、どうですか?
「何もない」の定義次第ですが、他の場所はガードレール、道路標識、電柱や電線、視界を狭める背の高い林、など少なくとも一つはあるんです。
北海道を10周以上している私が探しても、何もない長い直線道路は数ヵ所しかなく、このレア度が人気になるポイントです。
道路の両端には安全のため反射ポール(デリネーター)はありますが、それ以外は道路と草のみ。高い木もないので視界は抜群です。(クランク部には矢印標識があります)
そんな何もないエサヌカ線のおすすめポイント、撮影ポイントを紹介します。
エサヌカ線の概要
通称エサヌカ線と呼ばれていますが、正式には「猿払村道 浜猿払・エサヌカ線」と言います。村が作った道ですね、浜猿払(はまさるふつ)は地名、エサヌカは川の名前または地名です。
全長は16kmほど。北側の浜猿払地区を起点とすると、まずは4.2kmほど直前が続き、クランクを経て次の直線道路が8.3kmほど続きます。舗装が完成したのは1996年だそうです。
北海道にとっては特に長いというほどでもない直線道路ですが、なぜ人気なのか、この2つの直線道路の特徴について詳しく説明します。
ちなみに、下記ルートの南側2kmほど(直線部分)は浜頓別町(はまとんべつちょう)になります。
北側の直線道路4.2kmのおすすめポイント
上記マップの北側、浜猿払からクランクまでの直線道路のおすすめポイントは次の4点です。ただし、最初の3点は特に立ち止まって見るほどではないので走りを楽しんで下さい。4つ目はおすすめの撮影ポイントです。
オホーツク海を見ながら走ることができる
北側の4.2kmは海岸沿いを走りますので、南下する場合は左側にオホーツク海、右側に草が見えます。オホーツク海を見ながら走れる場所はたくさんありますが、エサヌカ線としてはここだけです。ここを通り過ぎると海は見えなくなりますので、ビューポイントとして挙げました。
エゾカンゾウやハマナスの花を見ながら走ることができる
エサヌカ線周辺の海岸沿いは原生花園となっていますが、実際に花が見えるのは海沿いを走る最初の直線道路のみ。周囲に牧草地は無いので原生花園の中を走る感じです。
花の見ごろは6月下旬から7月上旬がピークかなと思いますが、それほど密集して咲いているわけではないのですし、駐車スペースもほぼ無いので走りながら見れば十分です。
緩やかなS字カーブが心地よい
北側の4.2kmは地図上だとほぼ直線なんですが、実際に走ってみると下の拡大マップでわかるように緩やかなS字カーブが2ヵ所あります。個人の好み次第ですが、このカーブの感じも楽しいです。
オホーツク海へ向かう短いダート道が美しい
北側の直線道路を走っていると、海に向かうダート道が何本かあり、ダート道の両側は草という風景がとっても美しいんですよ(個人の感想です)。
グーグルマップでみるとこんな感じです。このような場所が4ヵ所ほどありますが、私のおすすめは直線のちょうど中間付近、2つのS字カーブの間くらいです。
具体的な場所は上のマップのポイントマークがある位置です。200mほど北側にももう一本の道がありますので、ここはお好みで。
ここに立ち止まって写真を撮る人はほぼ0人かもしれませんが、もしかしたら共感して頂ける方がひとり以上いた場合にお役に立てるよう紹介してみました。
好みによっては直線が終わる丁字路も海へ向かうダート道があり、こちらの方が好きという方もいるかもしれません。
南側の直線道路8.3kmのおすすめポイント
こちらの直線道路は写真でよく紹介されている場所です。北側の直線区間は短い距離でも見どころがありましたが、こちらはずーっと草と空の風景が続くだけなので、紹介するものは写真しかありません。一応撮影ポイントを紹介します。
エサヌカ線 さるふつ村観光協会ウェブサイトより引用
車は道路沿いの空きスペースに止める
エサヌカ線に駐車場はありませんが、道路沿いに1台分くらいの車を止められるスペースがあります。お盆時期以外は車もバイクもたまにしか通りませんし、エサヌカ線全体で100ヵ所くらいありますので1台分のスペースがあれば十分です。これは車を止めるためではなく、トラクターなどが牧草地に入るための入り口ですが、便利なので利用させてもらいましょう。下の写真のような感じで止めます。
ちろんトラクターや農作業の邪魔をしてはいけませんし、牧草地は私有地ですし、牧草は家畜の餌なので立ち入り禁止です。
おすすめの撮影ポイント5ヵ所
ここからはおすすめの撮影ポイントを紹介します。
はい、どんな感じになるのか他の写真も楽しみです。
写真は上の1枚だけです。
うそでしょ?8.4kmもあるのに。
私が撮影したエサヌカ線の写真は70枚ほどありましたが、ほぼ上の写真と同じものしか無かったんです。
同じ写真が70枚も?写っているのは草と空だけでしょ?
それ変態じゃん!
じゃあ、なるべく違う風景をあと1枚だけ載せます。
う~ん、同じ風景ですね...
微妙な違いは個人の好み次第なので、まずはゆっくり走りながら気に入った場所の近くにある道路沿いの空きスペースに停めてください。
下記のマップは撮影ポイントの一例を示しています。
- Ⓐ直線のスタート地点(撮影ポイントではありません)。
- Ⓑ撮影ポイント1 直線入口から450mあたり。直線の入り口付近ならどこでも長い直線が楽しめます。上の写真はこの付近です。
- Ⓒ撮影ポイント2 エサヌカ線から国道238号へ向かう道の丁字路なので三方向の景色が楽しめます。
- Ⓓ撮影ポイント3 直線はほんのわずかに「くの字」になっていますが、そのわずかに曲がる場所です。十字路でもあるので、北側は下のグーグルマップのような感じで見ることができます。
- Ⓔ撮影ポイント4 直線の終点付近からも逆方向を撮影しておきましょう。
- Ⓕ撮影ポイント5(直線の終点)丁字路になっていますが3方向ともいい景色だと思います。
エサヌカ線へのアクセス方法
エサヌカ線の北側の入り口は下のマップの通りです。目印は何もありませんが、今は「通称エサヌカ線 入口」の看板がありますので意識していれば間違えることは無いでしょう。「入口」の文字だけ大きく書いてあります。
また、もう少し北の猿払簡易郵便局側からも入ることができますが、こちらは地元の生活道路っぽいので通行するのは遠慮しましょう。
南側の入り口も下記のマップの通りです。こちらも目印は何もありませんでしたが、今は「エサヌカ線入口」と書かれたオレンジ色の看板が作られていますので大丈夫です。
おすすめ時期、避けたい時期
おすすめの時期は6月中旬~7月中旬
エサヌカ線を走るおすすめ時期は個人の好み次第ですが、私は草好きなので草が成長する6月中旬から7月中旬くらいに行けるよう計画を立てています。
7月下旬だと牧草が刈り取られている可能性がありますので、長めの牧草を見たいなら早めに行った方が良いと思います。
逆に、牧草ロールのある風景が好みなら7月中旬以降か9月中旬以降が良いかと思います。
エサヌカ線の牧草ロールが見られる時期は不明ですが、6月下旬も7月上旬も牧草ロールは見かけませんでした。
ストックしている写真にもこの時期に牧草ロールは写っていませんが、7月下旬の写真には写っていましたので、牧草が刈り取られるのは7月中旬くらいかもしれません。
エサヌカ線 さるふつ村観光協会ウェブサイトより引用
一般的に、牧草は年2回ほど刈り取りが行われます。一度刈り取っても牧草はまた伸びるので9月ごろにもう一度刈り取ります。
エサにする牧草ロールは密閉して数ヵ月間発酵させるため、しばらくは牧草地に置かれている場合もありますので、牧草ロールを見るならそれほど焦らなくても大丈夫です。
避けた方が良い時期
風景は好み次第ですが、避けた方が良い時期があります。
- 通行止めの日
エサヌカ線は車両通行止めになる日があります。それが北オホーツク100kmマラソン大会が行われる日、時間は5:00~10:00なので午後なら大丈夫かと思います。最近は7月の最終日曜日に行われていますが、事前に調べておきましょう。 - お盆の時期
私はお盆に行ったことが無いのですが、あまり車が通らないエサヌカ線、お盆の時期も交通量は少ないようです。それでも他の時期より多いようですし、何もないことが重要な場所なのでなるべく避けた方が良いと思います。 - 雨や霧の日
当然ですが自分でコントロールできません。半日か1日くらいなら予定変更できるような計画が立てられればいいんですが、無理なら諦めるしかありません。 - 大雪の日
この道は除雪されないようです。除雪しても何もない場所を通る人がいないので除雪する意味がないのかもしれませんね。
何もないエサヌカ線に大雪が積もると、道と牧草地の区別ができなくなるとか、逆に本当に何も無くなり道さえも無いから、あえて行ってみるとかありそう。
エサヌカ線の雪 猿払村ぐらしウェブサイトより引用
エサヌカ線の走り方 1.5往復が基本
こんなに楽しいエサヌカ線なので、天気が良ければ一回で通り過ぎるのはもったいないです。
走り方としては、
- 最初はとりあえず通過して全体の雰囲気を楽しむ。
- 走ってきた道を戻りながら、気に入った場所で止まって何もない風景をじっくり楽しむ。
- そしてまた戻って次の目的地へ向かう。これで3回走ることになり1.5往復です。
- 気に入ったら①~③を繰り返す。
こんな感じで、8.3kmの直線部分だけでも良いので3回くらい走りましょう。
私は5往復くらいしようと思っていましたが、いくらいい風景でも途中で飽きました。3.5往復が限界、滞在時間は2時間ほど、走行距離は8.3km×7回=58.1kmになります。
エサヌカ線通行証明書とステッカーが人気
エサヌカ線通行証明書はシリアルナンバーが入る
2020年から、エサヌカ線の通行証明書が販売されています。この通行証明書の良いところは日付のほかにシリアルナンバーが入ること。これ、割と珍しいです。
販売場所は道の駅さるふつ公園にある管理棟窓口です。
通行証明書は300円、また下記のステッカーも各300円ですが、ステッカー①と通行証明書のセット価格だと500円になります。
一般社団法人さるふつ観光協会フェイスブックより引用
- 営業時間:9:00~17:30 無休
- 場 所 :道の駅さるふつ公園にある管理棟窓口
エサヌカステッカーは売り切れるほど大人気
上の写真のようなエサヌカステッカーは2019年から販売されています。これらのデザインのいくつかは毎年微妙に変わるらしく、写真の④は2020年限定ということです。
ステッカーは数量限定、2020年は9月下旬に全種類完売したようなので来年はもう少し数量増やしてもらえるかもしれません。
私はエサヌカ線の風景の特徴をよく表している下の写真のステッカーが好みです。牧草ロールと鹿はよく見る風景ですし、夕方は暗い日はだいたい鹿が出てくるし、可愛いので欲しくなりました。
下の2つのステッカー、上段が2019年、下段が2020年のデザインですが、確かに微妙にデザインが変わっています。
年号と文字の横の●●以外に大きく2つの変更が行われていますが気づいたでしょうか?
猿払村ぐらしウェブサイトより引用
まず一つ目は、草原の配色パターン、二つ目は鹿のポーズが違っています。2020年はそれぞれの鹿が違うポーズになっていて楽しいでよすね。よく見ると鹿は5頭います。
私は2019年6月末に道の駅さるふつに寄りましたが、うっかりして営業時間内にたどり着くことができず、残念ながらまだ手に入れていません。
後で知ったことですが、上のステッカーを含めて4種類はセイコーマートさるふつ店で販売しているそうです。
道の駅さるふつに寄った同じ日にセイコーマートさるふつ店に寄っていますが、全く気付きませんでした。2019年はまだセイコーマートに置いてなかったのかも。
猿払村以外では販売していないステッカーですが、2020年のふるさと納税返礼品で「特選“エサヌカ線”セット」を選択すると、エサヌカステッカーが1枚付いてくるようです。
「ふるさとチョイス」のサイトを見てみると、ステッカーのデザインは上の写真と同じでした。興味ある方は見てみてください。
ウェブサイトの紹介『猿払村ぐらし』
上のステッカー写真や画像を引用させていただいたサイトです。猿払村への移住をサポートしたり移住情報を提供しているサイトで、情報は猿払村の公認だそうです。
こちらのスタッフである「SHON」さんは猿払村へ移住してきた方で、エサヌカステッカーの企画・デザイン・販売などに携わっており、その様子をブログに書いておられます。内容がとても興味深かったので勝手に紹介させていただきました。
エサヌカ線の注意点
- 交通安全
車は路肩に停められていますので気を付けてください。ここはまっすぐ前を見て走ったほうが楽しいのでよそ見はしないと思いますが、道路の真ん中に寝転んで写真を撮る人もいるので注意しましょう。
牧草が刈り取られたり運搬される7月中旬以降はトラクターなどの農耕車が走るため気を付けましょう。 - 牧草地は立ち入り禁止
牧草は家畜のエサになりますし、私有地なので立ち入り禁止です。
- 鹿横断注意
エサヌカ線も鹿が出ます。特に朝と夕方や、ちょっと暗めの日は高確率で鹿を見かけますが、群れで出てきて道路を横切ることもしばしばあるので注意しましょう。
- 南側の段差注意
南側の入り口から最初のクランクまで2kmほどありますが、この間の道路は段差や凸凹が結構あります。あまりスピードを出し過ぎると車が大きくバウンドして壊れそうなので注意しましょう。
- 北オホーツク100kmマラソン大会の日は車両通行止め
前の項目でも触れましたが、知らないで行ってしまうと最悪なので日時を確認しておきましょう。
エサヌカ線を横断する鹿 猿払村ぐらしウェブサイトより引用
まとめ
- エサヌカ線は、ガードレールも、道路標識も、電線もない、長い直線道路。実はこれを満たす場所は数ヵ所しかなく、このレア度が人気。
- エサヌカ線の直線道路は、4.2kmと8.3kmの2本立て。
- 4.2kmの直線道路は意外と見どころがあるが、8.4kmの直線道路はずーっと同じ景色。
- 北オホーツク100kmマラソンが行われる7月下旬は午前中車両通行止めになるため注意。
(車両規制の日時は公式サイトで確認してください) - 道の駅さるふつ公園に寄って、エサヌカ線通行証明書とステッカーを買ってみましょう。