北太平洋シーサイドラインは十勝の広尾町から根室市の納沙布岬までの太平洋岸沿いに走る道の総称ですが、ドライブコースとしては厚岸町(あっけしちょう)から東側の道道123号、142号、35号の景色が素晴らしく、おすすめです。
このページでは、厚岸町の牡蠣が食べられるおすすめの食事処と絶景ポイントを紹介します。シーサイドラインという名前の通り海の景色をメインとしてとっても美しい景観が続きますので楽しんで下さい。
北太平洋シーサイドラインは浜中町~根室市まで続きますので、こちらの観光ポイントは別記事として紹介します。
花咲線の電車が走る別寒辺牛湿原が美しい
別寒辺牛(べかんべうし)湿原は厚岸湖の北岸に流れ込む別寒辺牛川やその支流周辺に広がっています。一見すると狭く見えますが、多くの支流沿いに広がる湿原なので実際は釧路湿原の半分ほどになる大きな湿原だそうです。
別寒辺牛湿原のおすすめポイントが湿原の中を走る花咲線の電車。下の写真のような素晴らしい風景に出会えます。鉄道好きや湿原好きの方は道の駅厚岸から10分ほどなので寄ってみてください。
この写真はソニー(株)「αユーザーの写真ギャラリー&コミュニティーサイト」より、山岳一歩さんが撮影した写真を引用させていただきました。厚岸駅発6:21発の根室方面行き列車だそうです。
写真の左上が厚岸の街、赤く見えるのは厚岸大橋です。電車が走る風景って、いいですね。
国道44号は画面のだいぶ右側なので写真には写っていませんが、撮影場所の真下付近で線路に5mくらいまで近づき、少しの間だけ線路と並行して走ります。
根室への花咲線 出典:SONY α cafe 根室への花咲線(山岳一歩さん)ウェブサイトより引用
こんな素晴らしい写真をみると実際に行きたくなりますが大きな課題が...実は、湿原を見るための道とか展望台とか、何もないんです。
この周辺は花咲線の撮影ポイントとして鉄道ファンの方には有名な場所らしいのですが、みなさんどのように撮影しているんでしょう?
湿原を走る花咲線の景色は20年くらい前に知りましたが、具体的な撮影ポイントはしばらく知らなかかったため北海道好きの私としてはこのまま見過ごすわけにはいきません、実際に現地に行ってみました。
国道44号と線路が最も近づく付近に高い木が生えていない斜面があり、その上には電送線の鉄塔があります。この鉄塔のメンテナンス用っぽい獣道を登れば行けそうなので、たぶんここかなと推測しました。
場所は推定できましたが、実際には上っていません(ごめんなさい)。急坂だし雨に濡れた草木があるし車止める場所がないので(言い訳)。(マップの下が厚岸駅方面です)
湿原から見る厚岸方面の景色も素晴らしいんですが、根室方面もまた絶景です。
下の写真は、厚岸水鳥観察館付近の高台と思われる場所から根室方面を撮影した写真です。こちらは花咲線のウェブサイトより大滝 恭昌さんが撮影した写真を引用させていただきました。
湿原の美しさが感じられる素晴らしい写真だなぁと思うとともに、ゆるゆるな地盤ぽいところによく線路を敷いたなあと感心もします。
出典:根室市 地球探索鉄道「花咲線」Webサイトより引用
この周辺の風景は2012年冬の青春18きっぷのポスターになり知名度が上がったそうですが、こちらも撮影ポイントに展望台や見学用の歩道などはありません。
私が付近を探してみた感じだと、厚岸水鳥観察館から250mまたは400mほど東へ進んだところに高い木が無い場所がるので、この急斜面を登ったあたりかなと推測しています。
素晴らしい風景だけど行くまでのハードルが高いからもっとお手軽に見える場所ないかなぁ、という方は厚岸水鳥観察館の2階の観察コーナーへどうぞ。まあままの景色が楽しめますし、無料の双眼鏡も設置されています。運が良ければタンチョウなど野生動物が見られることもあるようなので、近くへ行ったら寄ってみてください(月曜日は休館、月曜日が祝日の場合は翌日が休館)。
牡蠣と景色が楽しめる 道の駅 厚岸グルメパーク コンキリエ
牡蠣がお手軽に食べられる人気の道の駅です。広い施設ではありませんが隣の道の駅までは1時間以上かかりますし、道の駅からの景観も良いので寄っておきましょう。
出典:道の駅厚岸グルメパーク「コンキリエ」ウェブサイトより引用
おすすめポイントのひとつは青い海と赤い厚岸大橋の景観。道の駅の3階と4階は展望施設になっていて、下の写真のような感じの風景が見られます。
厚岸の牡蠣の特徴
厚岸に来たならやっぱり牡蠣を食べたいですよね。厚岸の特徴は水温が低いため牡蠣の成長をコントロールしやすく、一年中出荷できることです。厚岸の牡蠣はおもに3種類。
- カキえもん
厚岸で採卵・受精・育成・販売をしている牡蠣です。牡蠣殻の粉末に稚貝を付着させ海中の籠で養殖するため、波に揺られて貝柱が強く、ふっくら、濃厚なので生食用に向いています。
ちょっと高いですが、生まれた時から冷たい水で育つため、じっくり時間をかけて育つ身は旨味が詰まって美味しいそうです。 - マルえもん
宮城三陸地方などで生まれた牡蠣をホタテの貝殻に多数付着させ、1年ほどの稚貝を厚岸町に送り、厚岸湖で1~3年ほど育てた牡蠣です。多く出荷されている種類で値段も手ごろなので、たくさん食べたい方はマルえもんがおすすめ、身がぎっしり詰まっていて美味しいそうですよ。 - 弁天牡蠣
厚岸生まれの稚貝をマルえもんと同じようにホタテ貝に付着させて1年養殖し、2年目からはカキえもんのように籠で育てるため、両方の特徴を持った濃厚で身が締まっているのが特徴。まだ新しいブランドですが期待が大きいそうです。 - ナガえもん
生まれと育ちは三陸で育成が厚岸。お店ではたまに見かけるくらいです。
ちなみに、厚岸以外の高級ブランドとして有名なのが釧路町の仙鳳趾(せんぽうし)産の牡蠣。身が締まって大きく甘味とコクがあってプリプリで美味しいそうです。
実は、厚岸は美味しいアサリの産地でもあります。お店ではアサリメニューも普通にあるので、アサリ好きの方は食べてみてください。
道の駅厚岸 コンキリエのレストラン
道の駅厚岸のレストランは下記の3店、この他にスイーツやおみやげ屋さんがあります。
私はすべてのお店で何回か食べていますが、どのお店もすべて美味しかったので気分に合わせて選んでみてください。
炭焼 炙屋(あぶりや)
隣の魚介市場で食材を購入すれば、炭焼きのバーベキューとして食べることができます。下の写真は私たちが購入した食材の一部、こんな感じで炭焼きします。
生かき3種食べ比べなどの牡蠣のほかにホタテ、ウニ、サンマ、シシャモ、その他干物やお肉類、野菜類など70種類ほどあるようです。
時々団体客が入ることがあるようで混雑する可能性もあるようです。
レストラン エスカル
洋風メニューの雰囲気ですが、カキフライ、エビフライ、かきめし、丼、雑炊、カレー、パスタなど様々なジャンルの食事ができます。炭焼きをしないのであればこちらのレストランがお手軽です。
オイスターバール ピトレスク
お酒を飲みながらカキを食べる感じのお店で、カウンター席から厚岸湖や厚岸の街も良く見えて、おしゃれっぽい感じです。各種カキメニューのほかに、ピザ、パスタ、カレー、ランチメニューなどもあります。
道の駅以外の食事処
道の駅以外で牡蠣を食べられるお店を3店紹介します。
一福 (リンク先は食べログ)
厚岸駅前にある食堂。以前は「浜のれん」というお店で、こちらでもカキフライ定食を食べたことがあります。有名店なのでご存じの方も多いかと思いますが、一福のカキフライも美味しいですよ。ほかには、ラーメン、カレーなどがあります。
営業時間:11:00~19:00 土日は15:00終了 定休日:木曜日。
厚岸漁業協同組合直売店 エーウロコ
厚岸大橋の北岸にあり、殻付きの牡蠣やホタテ、カニ、鮮魚、加工品などを販売しています。イートインコーナーにはテーブルが5台、電子レンジが4台ほど設置されており、調味料もあるので蒸し牡蠣をつくって食べることもできます。やっぱり値段は安いです。
また、鮮魚を買うと料金はかかりますがその場でさばいて刺身にしてくれますし、地方発送もやっています。
営業時間:10:00~16:00 無休。
カキキン オイスターバー 牡蠣場(かきば)
厚岸大橋の南岸にある赤と黒のおしゃれな建物が以前から気になっていましたが、実は牡蠣の加工場だったらしく、オイスターバーとしてオープンしたのが2017年11月ということです。
私もまだ行ったことはありませんが、外観も改装されてちょっとおしゃれっぽいので紹介しました。
オーナーの中嶋均さんは「カキえもん」の生みの親だそうで、ウェブサイトによると、
『生で食べることで美味しさを最大限に感じていただけるような牡蠣をこれからも生産し続けていきます。』
と記載されています。下記のおいしさを知り尽くしている方なのでぜひ行ってみたいですよね。
営業時間:18:00~22:00、営業日:金土日のみ(予約があれば平日も営業)。
愛とロマン 愛冠岬(あいかっぷみさき)
厚岸湾に突き出た海抜80mほどの岬。厚岸町のWebサイトによると、
『できそうもない困難を乗り越え愛の栄冠を得る』との思いで名づけられました。原名はアイヌ語でアイ・カップ(矢の上のもの)の意で、矢の届かないところから『できない、届かない』という意味も持っています。
出典:厚岸町ウェブサイト「観光十景」より引用
ということです。
景観も素晴らしいんですが、ここのアピールポイントはやっぱり愛冠岬という名称ですね。
女子は絶対行きたくなる♡ でも愛とロマンて、ベタすぎるなぁ。
下の写真は愛冠岬から東岸を見たものです。見えている岬はアイニンカップ岬と大黒島、西側は尻羽岬(しれぱみさき)を見ることができます。
愛冠岬からの眺望 出典:厚岸町ウェブサイト観光十景より引用
「愛冠岬」の看板は木製で色は付いていませんが、以前は青の文字だったんです。何回か訪問すると、こんな変化も楽しみの一つです。
『愛の鐘ベルアーチ』という鐘も設置されているので軽く鳴らしてみましょう。
私は6回ほど行ってみましたが、いつも3~4人くらいしかいませんでした。
愛冠岬「愛の鐘ベルアーチ」 出典:厚岸町ウェブサイト観光十景より引用
わぁ~いいですね。絶対行きたいです。
こんな美しい景色が見られる愛冠岬ですが、欠点が一つ。霧です。
北太平洋シーサイドラインは暖流と寒流がぶつかって霧が発生し、南風によって沿岸に運ばれてきます。7月~8月の釧路周辺では月の半分以上の日で霧が発生するそうです。
厚岸の街は厚岸湾の奥にあるので、霧の状態は下の写真のようになります。防波堤の向こうに見える白い横のラインが霧です。霧の向こうは釧路町の尻羽岬(しれぱみさき)になるので、霧は厚岸湾の中に入っていることが分かります。
こんな感じの霧の日に愛冠岬へ行ってみるどうなっているでしょうか?
あ”-、岬の先端は霧の中なのかなぁ?
岬の直前まで霧は無いんですが、海は全く見えません。その日の状況次第ですが、だいたいこんな感じです。その分、野生のシカが見られます。
愛冠岬の鹿、見たいです。
この周辺には鹿が多くいるようで、私は6回行っていますが鹿は5回見ました。
北海道らしい風景なので、まだ鹿を見かけていない方は愛冠岬へどうぞ。
愛冠岬へは下記のマップを参照してください。愛冠岬の駐車場から徒歩550mほどで海沿いに出ます。ほぼ平坦な道なので歩きやすいですよ。駐車場には小さな売店とトイレがあります。愛冠岬の先は行き止まりなので来た道を戻ってください。
原生花園あやめヶ原
名前の通り約30万株のヒオウギアヤメを中心とする広さ100ヘクタールほどの原生花園。散策路を通り展望台まで行くと、海抜100mからの眺望も素晴らしい場所です。アヤメの見ごろは6月下旬から7月中旬がベスト。
原生花園あやめヶ原 出典:厚岸町ウェブサイト観光十景より引用
こんな感じで馬もいるのんびりした風景です。
展望台は原生花園を見渡せる展望台や、岬の先端、東岸、西岸など4ヶ所に設置されているので違った景色を楽しめます。
下の写真で中央の島は大黒島、小さな島は小島、対岸は釧路町の尻羽岬(しれぱみさき)です。この周辺はアヤメの少ないエリアですが、群生している場所は上の写真のように見応えがあります。
ここも素晴らしい景色ですが欠点が一つ。霧ではありません。霧の中のアヤメも美しいので大丈夫です。むしろ霧が出た時こそ行ってみても良いかもしれません。
欠点というのは、夏場はアブが多いこと。苦手な方はとりあえず駐車場まで行って様子を見てください。
駐車場には小さな売店とトイレがあります。
まとめ
- 厚岸で牡蠣を食べるなら
・道の駅厚岸コンキリエ(3店)
・一福
・厚岸漁業協同組合直売店 エーウロコ
・カキキン オイスターバー 牡蠣場(かきば) - 厚岸の絶景ポイント
・花咲線の電車が走る別寒辺牛湿原、絶景だけどたどり着くのが難しい。
・愛冠岬(あいかっぷみさき)も絶景だけど、鹿と霧が出やすい。
・原生花園あやめヶ原も絶景だけど、アブが出やすい。