天塩川(てしおがわ)を渡って日本海沿いを稚内・ノシャップ岬方面へ向かう一本道、道道106号。ビューポイントとしては、この道を走ること自体が観光体験ですから約68kmを一気に終点まで走ってもいいですし、道道106号のほぼ全部が観光地帯ですからどこで停まってもビューポイントです。
しかし1kmおきに停まるわけにもいかないので、ぜひ車を止めて撮影して頂きたいおすすめ絶景ポイント6か所を紹介します。
道道106号の概要
道道106号は天塩町と稚内市を結ぶ68kmほどの道で、途中の信号機は1つだけ、しばらく北上すると電柱も無くなり、さらに北上すると柵やスノーポールも無くなり、設置されている人工物は反射板と起点標(距離標)のみになります。
道路の他には、ほぼ海と空と草しか見えない、快適なドライブができる最果て感満載の海岸道路です。
ビューポイントとしては以下で説明する6か所ですが、走っていて美しい風景に出会えたら車を停めればそこが観光地です。
路肩は狭めですが交通量は少ないですし、道路沿いには普通車1台分の車が停められる場所が数多くありますので大丈夫です。
オトンルイ風力発電所の風車群
オトンルイ風力発電所の風車群については、絶景ポイントが10か所ありますので別記事にて紹介しています。最大高さ99mの風車が一列に28基も並ぶ絶景ですので、こちらも読んでみてください。
北緯45度通過点 モニュメント
「N」の文字を45°にデザインしたモニュメントと車数台分の駐車スペースがあるだけです。私も停まったことはありませんが、何も無い道道106にとっては貴重モニュメントなので紹介しました。
晴れていれば日本海や利尻山(利尻富士)も美しく見ることができますので、構図を工夫しながら撮影してみてください。
道道106号の北緯45度モニュメント 出典:「北海道STYLE」ウェブサイトより引用
モニュメント越しの夕日や利尻山、またモニュメントに反射する夕日なども良いかもしれません。星空をバックにモニュメントを撮影する方もいるようです。
北緯45度はピンポイントではなく線ですから、ここ以外にもモニュメントが設置されている場所が6か所ほどありますが、個人的にはここが最もカッコいいと思います。
なお、正確な北緯45度線は測地系の変更により200mほど南になります。
稚咲内園地はエゾカンゾウの群生地
稚咲内園地(わかさかないえんち)は主にエゾカンゾウなどの群生が見られる場所の一つです。見ごろは6月中旬から下旬くらいの短期間ですが、タイミングが合う方は立ち寄って見てください。
自然に咲いている花なので、道路を走りながら見るだけでは群生しているように見えません。隣の砂丘のえき「ハウス砂丘林」に車を停めて木道を200mほど歩いてみましょう。
この時期を外れても花は咲いていますしハマナスなども見ることができますが、群生という感じではなくなってしまいます。その場合はサロベツ湿原センターへ行けば大丈夫です。こちらは見渡せる範囲が広いため、6月中旬から7月中旬くらいまではどこかのエリアで群生が見られると思います。
場所の目印は、道道106号と444号が交差する信号機です。天塩川からノシャップ岬までの70km間で唯一の信号機なので間違えることはありません。
また、ここから3~5kmほど北上した区間(上記マップの「日本海オロロンライン」⇒「稚咲内」)にも群生地が数か所あります。ボーっとしていると見逃しますので、車窓越しに探してみてください。なお、駐車場はありませんので道路脇の空きスペース(車1台分)に停めましょう。
夕来展望所から見る絶景、利尻山とアップダウンの道
夕来展望所(ゆうくるてんぼうしょ)は4台ほどの駐車スペースがあるだけの場所ですが、利尻山を近くで見られる場所でもあり、他の場所よりも数メートルだけ高い場所でもあるため、小さいながらも割と有名です。
また、夕日を眺める場所としても人気があります。夏場に夕日が沈む場所は利尻山よりもだいぶ北側になりますので、利尻山山頂に沈む夕日を見たい場合は時期をずらすか、もっと南のオトンルイ風力発電所付近まで行く必要があります。ただし利尻山からは遠くなってしまいます。
夕来展望所より利尻山と夕日 出典:「北海道STYLE」ウェブサイトより引用
このように夕来展望所は利尻山の夕日ポイントとして有名ですが、実は利尻山以外にもう一つのおすすめポイントがあります。それが、道路。
北上ルートだと気づきにくいのですが、夕来展望所から南側の道を見ると道路が上下にうねっています。数キロメートルに渡ってうねっている北海道らしい風景ですので、ぜひ車を停めて撮影してみてください。
さて、下の写真に写っている道路の長さは何メートルくらいあると思いますか?
望遠レンズで撮影しているため圧縮された感じになっていますが、答えは約2,200m。
また、バイクが止まっている付近は海岸に出ることもできますよ。車が通れるほどの道ですが、動けなくなるかもしれないので、歩いた方が無難です。
こうほねの家(浜勇知展望休憩施設)は海も利尻富士も美しい絶景地
こちらのおすすめポイントは隣の沼に咲く「ネムロコウホネ」。スイレン科の植物で見ごろは7月中旬~8月くらい。黄色い小さな花が水面から出ている様子はとってもかわいいんですが、近年は環境変化の影響でなかなか見られません。
こうほねの家とネムロコウホネ 出典:「北海道STYLE」ウェブサイトより引用
コウホネが見られなくなった原因は、海岸の砂丘部分が浸食されて海と近くなり、沼に海水が入り込んだことや、沼の水位の低下、外来植物の繁茂などがあるそうです。
しかし、コウホネ以外にもぜひ見て頂きたいおすすめポイントが2つあります。
まず1つ目は建物の屋上から見る利尻山。晴れていればコウホネが咲く沼に空の色が反射して美しいブルーの景色も見ることができますので、利尻山と日本海とコウホネ沼のセットがおすすめです。
2つめは日本海とハマナスのある風景。ハマナスは自生なのか植えられたものなのか不明ですが、ピンクの色が良いアクセントになって、私の大好きな風景です。
この付近の海岸は少しだけ遠浅のようで、海の色が明るくてとっても美しいのもおすすめポイントです。道道106号の中ではイチオシなので、ぜひ寄ってみてください。
- 営業時間:9:00~17:00(6~8月は18:00まで)
- 定休日 :11月4日~4月28日
- 駐車場 :普通車16台ほど、大型バス3台。
- トイレ、ドリンクの自販機、休憩室内はテーブルと椅子がありますが売店はありません。屋上には時間外でも行くことができます。
夕日が丘パーキング
稚内の市街地へ向かう坂の途中にある駐車スペース。道道106号の中では最も高い位置から利尻山を見ることができます。
この辺まで来ると標高490mほどの礼文島(礼文岳)も見やすくなりますので、立ち寄って見てください。
駐車場は10台ほど、トイレとベンチがあります。2019年7月時点で自販機はありませんでした。
道道106号の宿泊 ホテル・旅館
珍しい温泉好きなら豊富温泉郷がおすすめです。
それ以外の方は選択肢が多い稚内市街で探しましょう。(楽天トラベル じゃらん)
私は稚内だとお気に入りのキャンプ場で車中泊をすることが多いのですが、お気に入りの宿もありますので別記事にする予定です。
まとめ
- オトンルイ風力発電所は迫力満点。建て替えのため撤去される前に見ておきたい。
- 北緯45度通過点 モニュメントは構図の工夫のし甲斐がある。
- 稚咲内園地周辺はエゾカンゾウの群生地ですが、見ごろは6月中旬~下旬と短い。
- 夕来展望所は利尻山と道路のアップダウンが見どころ。
- こうほねの家は海とハマナスのコントラストが見どころ。海の色も明るくなる。
- 夕日が丘パーキングは高台から利尻富士を見られる唯一のポイント。