日本の最北端、宗谷岬の南側に広がる宗谷丘陵(そうやきゅうりょう)、ここの特徴は何といっても「緑の草原・青い空と海・白い道」のコントラストです。
特に、宗谷丘陵は背の高い木がほとんどなく、ほぼ全部が牧草地と言ってもいいほど。そのため視界が広く、草原の中の白い道が海や空に向かって延びていく風景は感動するほどの絶景です。
ここでは、「宗谷丘陵 白い道」の絶景ポイントと駐車スペースを、日本一詳しく紹介します。
宗谷丘陵の概要
宗谷岬の南側は標高100mほどの丘陵地帯になっており、この地形は、地中の水分が凍結したり溶けたりして土が移動して2万年ほど前に現在の地形が形成されたそうです。(宗谷丘陵全体の標高は20~400mほど)
このような地形は周氷河地形と呼ばれ、現在は北海道遺産に指定されています。上空から見ると谷の部分は木の枝のように見えますが、これも周氷河地形の特徴なんですね。
もう一つの特徴は、背の高い木がほとんど生えていないことです。
明治時代までは木が生えていたそうですが、山火事で多くの木が焼失した後は、寒さや強風で木が生えにくく、牧草地になったこともあって今では牧草と笹の風景になっています。
そんな宗谷丘陵の絶景ポイントが白い道。以下では、白い道の特徴や撮影ポイントを詳しく説明します。
宗谷丘陵の絶景No.1 白い道の特徴
2011年に宗谷丘陵に設けられたフットパスで「白い道」または「白い貝殻の道」と呼ばれています。
ダート道の上にホタテの貝殻が敷き詰められているため、白い貝殻と、青い空と、緑の草原とのコントラストが感動するほど素晴らしいんです。白い道の先には青い海も見えて、絶景です。
このような美しい景色が見られるのも、ホタテの貝殻を敷き直したり、道の草を取り除いたり、しっかり管理をされている関係者のおかげなので、感謝しながら風景を楽しみましょう。
白い道のおすすめ走行ルート
白い道は、ざっくり東西に向かう道です。ここで悩むのが、東から西へ走ったほうが良いのか、その逆か。
結論は、往復しましょう。写真を撮りながら車でゆっくり走っても20分くらいの道です。両方の景色を楽しみましょう。
どちらか一方向だけというなら、白い道が海に向かって延びている風景が見られる、東から西へ向かうルートがおすすめです。この場合、逆光はあまり良くないと思いますので、太陽を背にして走れる午前中に行くのがおすすめです。
なお、稚内市の稚内観光情報サイトでも東から西へ向かうルートを推奨しています。「白い道を楽しむための5つのお願い」という内容で書かれているため、眺望の他に安全面を考慮しているのかもしれません。
宗谷岬からの行き方は、交差点が5ヵ所くらいあってちょっと難しいんですが、分岐点には案内板がありますので、下記マップを参考にして頂ければ大丈夫です。
Ⓐが宗谷岬、Ⓑが通過ポイントである「ゲストハウス・アルメリア」、風車が目印です。ⒸからⒼが分岐点ですが、すべて案内板があります。小さい案内板ですが、見やすい場所に設置されていますので気を付けていれば見逃すことはないでしょう。
実際に貝殻が敷かれて道が白くなるのは、上記ルートマップのⒼとⒽの間の2.3kmほどです。
もし、宗谷郵便局側から行きたい場合は、下記マップの「宗谷郵便局」が目印となりますが、宗谷岬の近くには「宗谷岬郵便局」もありますので両者を混同しないよう注意してください。
宗谷郵便局を東に向かい、三叉路を斜め左方向に登って行けば白い道です。宗谷公園や護国寺方面は、地図上だと白い道につながっていますが車での通行はできません。バイクでも無理かな。
白い道 おすすめのビューポイント
約2.3kmほどの白い道ですが、下記マップに示す9ヵ所の待避所がありますので、ここに車を停めて少し歩いてみましょう。
下記マップのⒶは白い道の始まり、Ⓑ~Ⓙの9ヶ所が待避所で、終点はほぼⒿの位置です。それぞれの待避所から見える風景を簡単に紹介しますので参考にしてみてください。
待避所Ⓑ おすすめ度★★★☆☆
風車群や周氷河地形を見ることができます。白い道が緩やかに右カーブする感じが気に入っています。
また、中央やや左に標高167mほどの丸山(自衛隊の観測施設)も見ることができます。(下の写真は待避所Ⓒからの写真ですが、待避所Ⓑからもきれいに見えます)
待避所Ⓒ おすすめ度★★★★☆
待避所Ⓑのすぐ近くなので同じ風景を見ることができますが、こちらの方が視界が広く人気かもしれません。数十メートルほど先へ歩いてゆけば、白い道が緩やかに左カーブし上って行く景色が見えて、とっても美しいです。(車が停まっている場所が待避所Ⓒ)
やや東に目を向けると、写真のような大風車群や牧草地、周氷河地形を同時に見ることもできます。
待避所Ⓓ おすすめ度★★☆☆☆
周囲は笹に囲まれていて、白い道が一本通っているだけの風景。視界は狭めですが地味な風景が好きなマニアックな方は止まってみてください。
待避所Ⓔ おすすめ度★★★☆☆
視界が広くなり始め、風車群や海が見えてきますが、ちょっと地味な場所なのでマニア向けの場所です。ただ、100mほど先に歩くと、白い道の最も長い直線部分を望むことができて、私は好きな場所です。
待避所Ⓕ おすすめ度★★★★★
少し広めの待避所で、100mほど先へ進むと、海へ向かって下っていく白い道が感動するほど美しく見えます。私はここに停めて次のⒼやⒽ付近まで歩くことが多いです。
下の写真は待避所ⒻからⒼへ向かう途中です。視界が開けるまでもう少しなので、絶景を楽しみにしながら進んでみましょう。
視界が開けると、下の写真のような風景に出会えます。
ここで待避所Ⓕ方面を振り返ってみると、下の写真のような風景になります。白い道のツーリングも似合いますね。
待避所Ⓖ おすすめ度★★★★★
海へ向かって下る白い道の途中にありますので、ここに車を停めて少し戻ったり、少し進んだりしながらお気に入りのポイントを見つけてください。
白い道の部分は短くなりますが、海が広く見え始める場所でもあるので、一番人気の場所かもしれません。
待避所Ⓗ おすすめ度★★★★★
白い道が左へカーブしながら下っていく位置になり、カーブを過ぎると直線の急な下り坂が現れます。白い直線道路の先には青い海、さらにその先には利尻富士も見えて、とっても美しい場所です。
また、後ろを振り返えると、白い道が青空へ向かって延びている風景がとっても美しいので、逆方向もおすすめです。
待避所Ⓘ おすすめ度★★★★☆
急坂の直線道路の途中にある待避所で、Ⓗよりも下になりますが海がより近くに見えます。
この直線の両側は背の高い木が生えていますので、あまり下ると視界は狭くなってしまいますが、両側の視界が狭い分、進行方向の美しさが目立つので人気の場所です。
待避所Ⓙ おすすめ度★★☆☆☆
ほぼ終点なので停まらなくても良いと思います。対向車が来た場合に避けるだけで大丈夫です。
白い道を走る場合の注意点
車もバイクも徒歩でも通ることができますが、注意点があります。
細い道ですが一方通行ではないため、対向車が来た場合はほぼすれ違いができませんが、300mごとくらいに待避所があります。見通しはまあまあ良い場所なので、対向車が来た場合は近くの待避所で待ちましょう。
前の車のすぐ後について走るのはやめましょう。せっかくの絶景が見えなくなりますし、待避所は1台くらいしか入れませんので、車が2台続くと対向車が来た時よけづらくなります。
バイクの場合は、貝殻を敷き詰めた道なので多少ガタガタ感はありますが、特に問題はなさそうです。ただし、西側の坂はまあまあの急坂ですし、徒歩の方もいますので上りも下りも注意しながら走行しましょう。
白い道の両側は牧草地帯です。私有地ですし、細菌が牧草に付いて牛が病気に感染するリスクもありますので絶対に立ち入り禁止です。これは一般常識なんですよね。
観光客のマナーが悪くて、開放していた白い道(私有地)を閉鎖してしまった例もありますし、美瑛や富良野でも畑に立ち入る観光客が多くて困るので、有名な木の所有者が木を切ってしまった例もあります。マナーって重要ですね。
また、白い道にはトイレもありませんので、宗谷岬周辺のトイレで済ませておきましょう。
(個人的なお願い)
観光客の方にお願いしたいことが一つあります。それは、絶景の中に車を長時間停めないよう気づかいして頂ければ嬉しいな~ということ。特に待避所ⒼⒽⒾ付近。
絶景を撮影したいんだけど車は写って欲しくない時ってありますよね。でも、これはこれで絵になるので、短時間なら全然問題なさそうです。ちなみに、右側が私の車。
こんな素晴らしい風景の遠くの方に、人が歩いていても逆に映えるのかもしれませんね。
待避所に入れる車は1台か2台です。白い道の近くには駐車場が無いため、ここに長時間車を停めると待避場所が無くなってしまいます。観光客が多い場所ではありませんが、1時間に10台くらいは通ります。(夏休み期間や休日はもう少し多いのかもしれません)
私は白い道を20回近く通っていますが、幸い長時間停まっている車はいませんでした。なんなら私が一番長いしてしまったかもしれません。
宗谷丘陵周辺のホテル
宗谷岬にペンションと民宿が1軒ずつありますが、多くのホテルは稚内市の中心部にあります。
私は道北だとキャンプが多いので最近泊まったホテルは無いんですが、大雨の日や立ち寄り温泉に寄ろうと思ってチェックしていたホテルを紹介しておきます。
まとめ
- 白い道は宗谷丘陵No.1の絶景スポット
- 白い道は2.3kmに渡ってホタテの貝殻が敷き詰められており、青空と草原に映える。
- 白い道の待避所は9ヶ所、お気に入りの場所を見つけてみましょう。私は待避所ⒼとⒻの間が好きです。